「大規模修繕工事」はマンションやオフィスビルの安全性や快適性を維持するうえで欠かせない工事ですが、しばしばオーナー様や居住者様の金銭的負担が大きくなりがちです。
そのため、大規模修繕工事を実施するタイミングや実際の流れなどについて、知っておきたいという方も少なくないのではないでしょうか。
今回のコラムでは、大規模修繕工事の「実施頻度」や「進め方」などについて解説すると共に「事業者選定のポイント」についても解説いたします。
大規模修繕工事とは
そもそも、大規模修繕工事とはどのような工事かご存知でしょうか。
大規模修繕工事とは、マンションやオフィスビルの老朽化によって生じる重大な不具合を未然に防ぐために行う「計画的な修繕工事」のことをいいます。
一般的にはマンションの工事を指すことが多い言葉ですが、オフィスビルや学校などにも用いられる言葉です。
主な工事内容は以下の通りです。
大規模修繕工事の工事項目
塗装工事
劣化した外壁と鉄部の塗装を行います。外壁の塗り直しを行う外壁塗装工事は外壁の耐久性や防水性を高める効果があります。
一方、手すりやエレベーター扉、メーターボックスなどの鉄部の塗り直しを行う鉄部塗装工事は、美観の回復やサビ予防の観点から行われています。
シーリング工事
劣化したシーリングの打ち替え・打ち増しを行って、シーリング部分の補強を行う工事です。
防水性や耐震性の向上に役立ちます。
防水工事
屋上・バルコニー・廊下・外階段など、雨風の影響を受ける箇所に対して、防水性をUPさせる工事を行います。
それにより、建物の劣化や雨漏り・浸水などを防ぎます。
設備工事
電気・給水・ガス・電話・インターネット・消化・排気・排水などのライフライン設備の修繕を行うことで、突然の故障や不具合の発生を未然に防ぎます。
上記の通り、大規模修繕工事は「建物の安全性や快適性の維持する」ために行われますが、それと同時に「建物の資産価値を維持する」という重要な目的も果たします。
建物の資産価値を維持することは、マンションやビルの「稼働性」を維持するうえで非常に重要なのです。
たとえば、築年数が経過しているマンションでも、十分に美観が保たれていれば、退去者が出てもすぐに入居者を見つけられますし、オフィスビルであれば継続的なテナントの入居を促進できるでしょう。
そのため、一見大きな問題を感じない場合でも、定期的に建物の調査を行い、必要に応じて修繕工事を計画するのは、非常に大切なことなのです。
大規模修繕工事の実施周期に誤解はありませんか?
さて、大規模修繕工事の重要性についてはご理解いただけたかと思いますが、「実施周期の目安」についてはご存知でしょうか。
巷では12年に1度の周期で行う「12年周期」が妥当なペースであるとの考え方が広く浸透していますが、これについては少し誤解があります。
実は14年でも16年でも問題ないのです。
12年周期が推奨されている根拠は、国土交通省が行った建築基準法に関する通告にあります。
具体的には「築10年を経過したタイル貼り・モルタル塗り・石貼りの建物は、過去10年間で1度も『外壁改修工事』や『外壁全面打診調査』を行っていない場合、3年以内にいずれかを行った方がいいですね」といった主旨のものです。
くれぐれも注意が必要なのは、国土交通省の通告やガイドラインには「12年周期で大規模修繕工事を絶対に行うべき」との記載は一切ないということです。
したがって、12年周期の大規模修繕工事は”マスト”ではないのです。
日本の建物の耐久性は世界トップクラスであるため、現状調査のうえで必要な箇所の補修・改修のみを13年~17年周期で行うといったケースも少なくありません。
ほとんど劣化していない状態で、大げさな大規模修繕工事を行うのは管理会社や癒着関係にある工事会社側の”利益追求”ゆえです。
不経済で過剰な工事を行うことは、オーナーや居住者の利益になりません。
そのため、、管理会社とのコネクションがない「中立的な工事会社」に建物の現状調査を依頼して最終判断を行うのがおすすめです。これが、事業者選定における最大のポイントといえるでしょう。
第三者の中立的な判断を仰ぎ、必要な工事周期や必要な修繕箇所を洗い出していくのが、金銭的な負担のない経済的な方法です。
当社にも「客観的な視点で現場調査してほしい」といったお問い合わせが増えています。
セカンドオピニオンがほしいといったお問い合わせも承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
大規模修繕工事の進め方について
続きまして、NGKで行っている「大規模修繕工事の進め方」についてご紹介したいと思います。
大規模修繕工事がどのようなプロセスで行われるものなのか、イメージを膨らませていただけましたら幸いです。
1.状況確認・ヒアリング
管理会社が過去に行った「建物の定期点検に関するデータ」を拝見しながら、建物に使われている建材や塗料、設備などを確認します。
また、過去の改修履歴についても確認します。
そのほか、現状において発生している不具合や気になっている箇所を、オーナー様から直接うかがいます。
2.現地調査・劣化診断
事前に確認した情報を参考にしつつ、現場スタッフが下見調査・劣化診断を行います。
建物の劣化状況を確認しつつ、照明・ポンプ・給湯などの設備チェックも実施します。
3.改修提案・検討
現場調査・劣化診断の結果に基づいて、マンションの理事長や管理組合の方々に向けて、修繕計画の説明会を実施します。
その際、修繕が必要な箇所をご案内すると共に、修繕方法・工期・概算見積金額なども丁寧にご説明いたします。
4.工事決定
ご案内に基づいて、工事計画の詳細を決定します。
具体的には、修繕計画の方針・仕様・修繕範囲です。
5.工事決定
決定された工事計画に基づいて「工事請負契約書」を作成します。
▲▲様や▲▲様にサインを行っていただきましたら、工事開始です。
6.着工
1級建築施工管理技士が安全対策・品質管理などを徹底的に管理しながら、丁寧に工事を進めていきます。
7.工程内検査
全ての工事が完了したら「工程内検査」を行います。
これは、仮設足場を解体する前に、お施主様や管理者様にお立ち会いいただいたうえで、問題がないかチェックしていただくプロセスです。
修繕や改修を行った箇所を、一つひとつ丁寧に確認していきます。
8.工事完了
工程内検査で気になる箇所が見つかれば、追加の修繕を行います。
その後、改めてお施主様や管理者様のお立ち会いいただいて「完了検査」を実施します。
完了検査で何も問題がなければ、晴れてお引渡しとなります。
写真つきの「工事完了報告書」を提出して、竣工となります。
9.アフターケア
お引渡し後、1年~2年に1回くらいのペースで定期点検を実施します。
定期点検以外のタイミングでも、気になる箇所がありましたら、いつでも無料で現場チェックいたします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
大規模修繕工事にかかわる要点をまとめると以下の通りになります。
・「大規模修繕工事」とは、マンションやオフィスビルの老朽化によって生じる重大な不具合を未然に防ぐ「計画的な修繕工事」のことをいう
・一般的には12年周期が推奨されることが多いが、マンションやオフィスビルの劣化状況を調査したうえで適切なタイミングで適切な部分のみ工事すれば問題ない
・13年~17年周期で工事を行うケースも少なくない
・大規模修繕工事の事業者選定にあたっては、中立的な立場で下見および修繕提案を行ってくれる第三者に委託するのがコストセービングにつながる
外壁塗装会社・NGKとは?
NGKは2000年の創業以来、20年近くもの長きに渡って「長期耐久・最高品質」をモットーに、大規模修繕工事を行っている工事会社です。
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